バカだ。
知ってたはずなのに、それを目の当たりにしてショックを受けるなんて。
わかってたはずなのに、ホントバカ。
喉の奥が焼けるように熱くなって、涙が滲んで視界がボヤけた。
ダメ、泣いちゃ。
止めなきゃ。
でもまさか、いるとは思わないじゃない。
こんなところで会うなんて、想像もつかなかった。
必死に瞬きを繰り返して涙を乾かす。
その間も2人の姿が気になって仕方なかった。
出来れば気付きたくなかった。
このまま笑顔で終わりたかった。
試合に勝った嬉しさよりも、胸が痛くて仕方ない。
せっかく虎ちゃんの応援に来たのに、すでにそんな気分じゃなくなっていた。
視線を感じてふとコートを見下ろすと、スポーツタオルで汗を拭いている虎ちゃんと目が合った。
なぜかとても真剣な顔でこっちを見ている。
「あいつ、頭は悪いけど、目とカンだけは良いからね」
蘭の言葉にも今は反応する気になれない。
もしかしたら蘭も2人に気付いたのかもしれないけど、胸が張り裂けそうでツラくて。
まるで時間が止まってしまったかのようだった。



