ーーピーッ
試合終了のホイッスルがけたたましく鳴り響く。
見事勝利を手にした我が高校の男子バスケ部。
「やった、勝ったよ〜!」
嬉しさと興奮のあまり、蘭が私に抱きつく。
そしてバシバシ私の背中を叩いた。
「うん、やったね!勝ったね!」
めちゃくちゃ感動しちゃったよー。
2人で顔をくしゃくしゃにして、抱き合いながら喜び合った。
「っていうか、相手チームのエース!すっごいカッコ良いんだけど〜!超タイプー!」
私から離れて蘭が手すりから身を乗り出す。
イケメンに目がない蘭。
「えっ!?見た目で選ぶのはやめるんでしょ?」
蘭の言葉に思わずギョッとする。
「そうだけど〜!なんかときめいちゃった。恋の予感ー!でも、モテそうだし彼女いそうだなぁ」
蘭が下を見ながらはぁとため息を吐いた。
完全に恋する乙女の目なんですけど。
そういえばこの前、恋の予感がするとかなんとか言ってたっけ。
敵チームのエースか。
蘭と同じように私も下を見下ろす。
背が高くて派手な茶色の髪の毛。
ジャニーズ系の可愛い顔をした男子。
うん、確かにモテそう。
その時ーー。
運悪く見つけてしまった。
体育館の入口から、恐らく試合を観ていたであろう2人の姿を。
ーードクン
胸に衝撃が走った。
苦しくて息が止まりそうになる。
なんで……いるの?
よりによって、2人でさ。
さっきまでの感動は一気に吹き飛んで、ただただ2人の姿から目が離せない。
なんで……。
「どうしたの?」
一気にテンションが下がった私の顔を、蘭が眉をひそめながら覗き込む。
「な、なんでもないよ……っ!」
ちゃんと笑えているかな?
うまく声が出てる?
今蘭に話したら泣いちゃうから、引き下がった頬をムリに持ち上げた。
そして今度は、何事もなかったフリをしてチームメイトとハイタッチを交わす虎ちゃんを見つめる。



