ゴールは私たちがいるギャラリーの真下。
虎ちゃんは真剣な顔でまっすぐにゴールだけを見つめ、敵チームのディフェンスを交わしてこっちに進んで来る。
緊張感が漂う中、思わず立ち上がって手すりを握っていた。
「虎ちゃーん!頑張ってー!」
ーードキドキ
ーーハラハラ
そんなふたつの感情が入り混じって手に汗握る。
虎ちゃんなら大丈夫。
きっと成功する。
やる時はやる男だもん。
だから頑張れ!
残り時間はほんのわずか。
勝つ方法はスリーポイントシュートを決めるしかない。
失敗が許されない中、虎ちゃんは綺麗なフォームでゴールにボールを放った。
虎ちゃんがダラダラ流れ落ちる汗をとっさに腕で拭った瞬間、目が合って。
気のせいかもしれないけど、優しく微笑んでくれたような気がした。
その間にも、綺麗な弧を描いてゴールにボールが吸い寄せられる。
まるでスローモーションを見ているようだった。
ーーザッ
見事に入ったボール。
ジーンと胸が震えて鳥肌が立った。
「「「キャー!」」」
体育館の中が黄色い歓声で溢れ返る。



