「いくら虎でも、気まぐれでそんなこと言わないでしょ」
「言うよ、虎ちゃんだもん」
ーーピーッ
良いタイミングでホイッスルが鳴り、試合が始まろうとした。
「ほら、始まるよ!試合に集中しよっ!」
「あ、逃げたな」
そんな蘭の声をスルーしてコートを見下ろす。
整列して、対戦校の相手とちょうど握手を交わしているところだった。
試合だからなのか、いつものふざけた感じではなく真剣な顔をしている虎ちゃん。
何気なく腕を見ると、そこにはさっき私があげたミサンガが付いていた。
やっぱりあの色の組み合わせにして良かった。
虎ちゃんに良く似合ってる。
ピーッと再びホイッスルが鳴って試合が始まった途端、全力でボールを奪い合う。
初っ端からの気迫のこもった虎ちゃんのプレイに、隣で蘭がニヤッと笑った。
「おーおー、今日はいつも以上に張り切ってるね〜!誰かさんにカッコ付けたいのかな〜?」
「…………」
誰かさんって……。
誰?
「だね。虎ちゃんを応援しに来てる人はたくさんいるし?いつも以上に頑張ってるよね」
2階のギャラリーはたくさんの女子で埋め尽くされていて。
バスケ部はイケメン揃いで有名だけど、その中でも圧倒的に虎ちゃんファンの子が多い。



