桜の舞う季節。
小学6年生を終える私たちは、小雨の降る中体育館にあつまった。
何十回と練習させられた卒業証書の授与。その最後に、貴方とならんで礼をする。
私たちは、今、羽ばたきます。
卒業式にありがちなそんな言葉を吐いて、かの有名な卒業式定番合唱曲を歌い、卒業式は幕を下ろした。
私も友達とそれなりに写真をとり、楽しんだりもした後、下駄箱にむかう。
上靴が、残ってる。
忘れ物かな?
取りにきたりとか、しないかな。
最後に、会えないかな。
話せないかな。
ふわり、桜が舞った。
どきっとする。
「あ、涼。どうしたの?」
分かってるけど、動揺を隠すように聞いてみる。
「靴忘れたんだ。」
「そうなんだ…馬鹿じゃないの?」
くすっ、笑う。
こんな言葉が最後なんて、本当、最後まで素直じゃない。かわいくない。
ありがとう。ずっと前から好きでした、なんて、乙女回路を回らせたかったのに。
でも、きっと会えるのだ。
家も近いし知ってる。
だから、もっと綺麗になって、可愛くなって、素直になって、貴方の前に現れるまで、待ってて。
まだ私が子供だった時代。
卒業式の日。
一年半想ってた人。
さよなら。
小学6年生を終える私たちは、小雨の降る中体育館にあつまった。
何十回と練習させられた卒業証書の授与。その最後に、貴方とならんで礼をする。
私たちは、今、羽ばたきます。
卒業式にありがちなそんな言葉を吐いて、かの有名な卒業式定番合唱曲を歌い、卒業式は幕を下ろした。
私も友達とそれなりに写真をとり、楽しんだりもした後、下駄箱にむかう。
上靴が、残ってる。
忘れ物かな?
取りにきたりとか、しないかな。
最後に、会えないかな。
話せないかな。
ふわり、桜が舞った。
どきっとする。
「あ、涼。どうしたの?」
分かってるけど、動揺を隠すように聞いてみる。
「靴忘れたんだ。」
「そうなんだ…馬鹿じゃないの?」
くすっ、笑う。
こんな言葉が最後なんて、本当、最後まで素直じゃない。かわいくない。
ありがとう。ずっと前から好きでした、なんて、乙女回路を回らせたかったのに。
でも、きっと会えるのだ。
家も近いし知ってる。
だから、もっと綺麗になって、可愛くなって、素直になって、貴方の前に現れるまで、待ってて。
まだ私が子供だった時代。
卒業式の日。
一年半想ってた人。
さよなら。
