だから、ほとんど日本のことを知らなくて、1週間かけて日本のことを覚えた。
日本人の使用人も雇っていたから、お仕事中にちょくちょく相手をしてもらい、ようやく完璧になったのだった。
「おはようございます、お嬢様」
ノックをして、おずおずと入ってきたのは日本人の使用人の方。
まだ使用人になって1年程だそうで、前の屋敷でも色々と上司の方に言われ、やめてしまったそう。
そのことを見かねたお父様は、この屋敷に招いたのだ。
お父様は昔からそういうことをよくしていた。
ほっとけないそうです、そういうこと。
「おはようございます、花奈さん。今日もお早いのですね」

