第2巻 Sicario〜哀しみに囚われた殺人鬼達〜


少なくともボクの意思では起こさない。
面倒事は避けるタイプだから、意外と言われる事が多い。
失礼だよね。


「父さんもラーベストさんも五月蝿い。
はぁ、私どれ位気絶してた?」


気絶していたキャタナインが目を覚ました。
まだボクの首に腕を回したままだ。


「さぁな。
キャシー、勝手にこんな化け物と会うんじゃねぇ。危ないだろ。」


キャタナインはボクの腕から飛び出し、父親であるボスに向かった。


「父さん!!化け物って取り消して!!!
ラーベストさん...長いわね!!
ドールさんは優しい人なの!!!そして魔法みたいに空を飛べるのよ!!!
酷い事言わないで!!
ドールさんも笑ってないで少しは怒ってよッ!!!」


突然激昂しだしたキャタナインに、ボクもボスも呆然とした。
キャタナインは其れだけで治まらず、ボスのネクタイを掴み、ボクを指で示した。


「謝って!!ドールさんに失礼よ!!」


さらっと、ボクをファーストネームで呼んでいる事は今は黙っておこう。
勢いに任せて殴られるのは勘弁したい。

威厳あるマフィアのボスは、怒りをぶつける娘にタジタジだ。
何とか宥めボクに向き直す。


「悪かったな。」

「別に気にしてませんよ。よく言われるから。」


この言葉にキャタナインは反応を示した。


「誰ッ!?誰がそんな事言ったの!!」

「え、えっ...!」


キャタナインはボクの襟首を掴み引き寄せる。
ボクは屈む体制になり、キャタナインとの顔の距離は数cmになった。


「そんな事言う人私が消してあげる!!」

「はぁ!?いやいや!!?何で!?何でそうなるの!!?
レオさん!!!」


ボスに声を投げ掛ける。
肉親に止めてもらう事が一番だ。


「...オレは知らん。」


無情な返答しか返ってこなかった。


「そんなぁ...」


キャタナインは如何して、ボクに執着するのだろう。
正直現状が解らない。
何故怒られている。何故問い詰められている。
誰かに強く執着された事の無いボクは、手立てが思い付かなかった。


「別に殺さなくても良いよ。
本当に気にしてないから...。」

「私が気にするの!!」


キャタナインの両肩に手を置いて、一旦距離を取る。


「はぁ、取り敢えず落ち着いて...
何でそんなに怒っているの?」

「だって...」


急にキャタナインが威勢をなくす。
思い当たったのかボスの顔が驚きを彩る。
ボクも流石に思い付く...。信じられない事だ。


「レオさん。絶対怒らないでよ。
これ約束。」

「おい待て!!」


ボスの言葉を聞かずに、ボクはキャタナインの肩から頬に手を移した。

其のままボクは...、







































____キャタナインの唇を奪った。