「私転校したくないんだけどっ」 半泣きで訴える私に対して、スポンジを持ったまま私に視線を向ける。 「莉緒は連れていかないわよ?」 「えっ」 どうゆうこと? しばらくして、お皿を洗い終えたお母さんがリビングにいた私の隣に座る。 「何年かかるかわからないもの。そう簡単に莉緒を連れていったりはできないわ」 そう言って寂しそうに微笑むお母さん。 「何年もかかるかもしれないんだ・・・」 「そんな顔しないの。連絡もいっぱいするから。ね?」 私の頭を優しく撫でてくれお母さんの手は、とても暖かった。