二人が「何かいいアイディアはないか。」というのを話してるうちに二人が通う高校「清蘭高校」に到着した。
東、西、北に校舎がコの字型に建っており、真ん中にグラウンドがある。清蘭高校は普通科はもちろん、デザイン科、看護科、福祉科、スポーツ科など珍しい科もあるため、色々な地方から生徒が通っている。東校舎と、西校舎が4階建てで、北校舎だけ3階建てだ。
ちなみに、写真部は西校舎の3階だ。
潤と樹里が東校舎にある下駄箱で靴を履き替えて西校舎に向かっていた。
校舎の中は室内で行う部活も多い為、冷房が効いている。
「グラウンドで練習してる部活は大変だよな。」
と、潤が言うと
「それはさすがに同感。」
と樹里もグラウンドを見ながら言った。
グラウンドでは野球部がノックを受けており泥だらけになっていた。
二人は視聴覚室の前で足を止めた。
この視聴覚室こそ写真部の部室なのだ。
視聴覚室が滅多に使われない為、写真部が占領している。
「「おはようございます。」」
と二人で言うと、
「おはよ。二人とも。ホントに暑いね。」
と、答えた。
「麻希部長!今日も綺麗ですね!」
と樹里が言うと、
「毎朝止めてよ。照れるじゃない。」
と顔を赤くして答えた。
樹里が毎朝「綺麗」という女性は小鳥遊麻希(たかなしまき)と言い、写真部の部長である。スラッとした体型で顔も整っており、校内にファンも多い。特徴のある黒髪は綺麗なストレートで腰まで長さがある。
「麻希部長は写真撮れましたか?」
と潤が聞くと、
「まだなの。だけど、今度家族で京都にいくからそこで撮れたら良いなと思ってるの。」
と答えた。