「今度はちゃんと働いてね!クーラー君!」
と言いながら、茉莉子はバスルームに向かった。クーラーは決して何も悪くないのだが。

バスタブにお湯を張るため、スイッチをピッと押し、たまたま目に入った洗面台の鏡に映ったら自分を見て、苦笑してしまった。
茉莉子は大学時代、芸能プロダクションにスカウトされたことあるくらい美人だ。身長も女性のわりにあり、スタイルも良い。ただ、今は汗で化粧がボロボロになり、髪もグシャグシャで服装もお土産で貰った「生涯青春」とかかれたTシャツの為、台無しとなっている。
「ちゃんとしたら美人なのに。」
と本人も自覚している様子だ。
再びリビングに戻り、テレビをつけるとどの番組も司会者がやたら大袈裟な通販番組しかしてなかった。ちなみに、テレビをつけて今の時間が深夜2時と知り、びっくりしたのは内緒で。