赤いボールペン




「じゃあ今日はここまで」


先生がそう言った途端、夢の世界へ行っていた前の3人は揃いも揃って無事帰還したようだ。


ぐーっと体を伸ばす良太。


ボーッとしたままのよっしー。


「えっ、もう終わり!?」とすず。


それを見て少し笑いながら、わたしは机の上のものを片付けていた。


その時、左側から何かが落ちる音がした。


パッと顔を向けると、彼がペンケースを落としてしまい、中のものが広がってしまっていた。


そのうちの何本かがこっちまで転がってきたから、しゃがんでる彼と同じ体勢になり、それらを拾った。


「いてっ」


背中を机にぶつけた時に、よく見ていなかったけど、また何かが落ちる音がした。


「すみません、大丈夫ですか?」


何が落ちたのかを確認する前に、申し訳なさそうな彼がさっきまでよりも近くに来ていたから、慌てて立ち上がる。


「大丈夫です!これっ」


「ありがとうございます」


近くで見ると、やっぱり背が高い。


180センチ以上はあるかもしれない。


普段人をこんなに見上げることってあまりないから、つい珍しくてジーッと見てしまった。