赤いボールペン




自分の名前の説明をしたタイミングで、チャイムが鳴り響いた。


同時に、慌てるようにすずとよっしーと春奈の3人が入ってきた。


合流してたのか。


「じゃあ、戻ります」


「うん。ありがとね」


「えへへ。もうペンケース落とさないようにしてくださいね」


わたしが意地悪く言うと、やられたって顔して先輩が笑う。


そして、わたし達の距離はまた椅子3つ分に戻った。


わたしの横には、よっしーと春奈。


すずは良太の隣に座っていた。


「おはよー。ギリギリだったね」


「ひかりが先行っちゃったから、コーンスープ飲もうとしてコンビニ行ったら2人がいたの」


2人に話しかけたつもりだったけど、代わりにすずが後ろを振り返る。


その手には確かにコーンスープの缶がしっかりとある。


「この部屋暑すぎ頭わりいな」


若干イライラしたように上着を脱ぐよっしーは、相変わらず口が悪いなと思いながら特に触れない。


「キャップも脱ぎなよ」


「春奈脱がしてー」


無言でその頭をひっぱたく春奈も変わらず通常運転だ。


ただでさえ小さいのに、さらに身長縮んじゃうんじゃないかと時々不安になるけど。