赤いボールペン




大学は、駅から歩いて約10分のところにある。


駅から出てきた大学生はほとんど全員がそこに向かって歩く。


昨日よりも目に見えて、コートを着たり厚着をしたり、防寒対策をしてる人が増えた。


冬は、好きじゃない。


「あ〜〜寒いね〜〜〜」


「わかってるんだからわざわざ言うんじゃないよ」


「心が寒いの〜〜!!」


どうやら少し前にいるカップルを見ていっているみたい。


そのカップルは、手をしっかり繋いでいて、きっとこの寒さなんか感じてないんだろうな。


「あー……恋がしたい」


「あーの時点で次何言うかわかったよ」


「ひかりも恋しなよ!」


「しなよと言われても…」


そりゃ、わたしだって出来るもんならしたいけども。


まず相手がいないんだから仕方がない。