そんなことは私たち3人には
一言も伝えられることはなかった。


あの男にはたくさん子供がいた。

母親はバラバラで、人種もバラバラだ。


その中で1番優秀な子供に将来 家業を継がせると
言って、ことあるごとに、私たちを競わせた。



なんでも、男の経営する会社はかなり大きく、
資産も莫大だった。


男の跡を継いで、資産を手にすれば
母に楽をさせてやれると考え、
3人で協力して、なんとか毎日を乗り越えて来た。