「…」


体をカタカタ揺られていることに気付く。

風が吹いて全身を撫で付けていく。


「う…」



目を開けると、流れて行く景色。

木箱のような荷台に乗せられていることを理解する。



「なに?…」


馬の足音だけが延々と続いていて、
今がどこかもわからない。


山の麓をひたすら走り続ける。