主争奪魔法学園

何その例え!私との記憶ただのゴミじゃん!!

「嘘おっしゃい!実を言うと引っ越ししてから一週間くらい寂しくて夜な夜な泣いて枕びしょびしょだったんじゃありませんか?」

私はからかう口調でそう言って凌太の顔を覗き込む。すると、何故か凌太は頬から耳を真っ赤に染めていた。

「あれ、もしかして…図星?」

「…うっせぇ」

凌太は覗き込む私の顔を右手で押して自分から遠ざけると左手で顔を覆い隠すようにした。

……照れてる。

「凌太、あんた可愛いところあるね」

「邪魔…鬱陶しい」

凌太は顔を真っ赤にしながらも私を鋭い目つきで睨んできた。しばらくして凌太の顔色が戻るとこの学園のことを詳しく説明し始めた。

「一度しか説明しねぇから良く聞けよ巳鶴(ばか)」

「巳鶴って書いてばかって読むのやめてもらえます?」

説明してくれる相手が凌太のため本題に入る前に軽いボケとツッコミが炸裂していたが、数分後に要約話は本題へと突入した。

「まずこの氷賢学園は魔法を学ぶ学校だ。この学園に入学する前に魔法に向いている生徒をこの学園が入手した生徒情報の中から絞り込み、選ばれた者だけがこの学園に通う事が出来る。クラスはそれぞれ、水属性、炎属性、風属性、光属性、闇属性で別れている。お前、さっき入学式に出席してたんだろ?ブレスレットか何かを渡されなかったか?」