___体温計の音が鳴る。
表示されている"39.3"という数字に生徒会メンバーは息を飲んだ。凌太は体温計を机に強く叩きつけるとレオの胸ぐらを掴み鬼の様な形相でレオを責めまくる。
「何巳鶴に無理させてんだよ・・・女が魔法を使うのは男よりも二倍大変だってことくらいてめぇも知ってんだろーが!!」
「知ってるよ。だからこそ巳鶴に魔法を使わせた。死なない程度に」
「ふざけんな!こんな高熱出させておいて何へらへらしてんだよ!!人の命に関わることだぞ!?」
「だから!巳鶴が大切だからこそ魔法を使わせたんだよ!!もし急に魔界との時空が歪んだらどうすんのさ!?巳鶴だけ俺達について来れなくて先に死ぬじゃん!今のうちに魔法を使わせて耐性をつけさせておくんだよ!!そんなことも分からないの!?」
凌太は返す言葉がなくレオの服から手を離した。ベッド身を預けて眠っている巳鶴を横目で見ると右手で頭を抱えながらしゃがみ再び口を開く。
「だからって、主にすることねぇじゃんかよ」
凌太の沈んだ声が保健室に響いた。
「それは俺も同意だ。耐性をつけさせたいなら主なんかにさせなくても魔術を教えれば済むことじゃないかい?」
続けて喋り出したのは副会長の昴だった。
「秋星くんを主にした理由が他にあるなら答えてもらおうか」
レオはその言葉に奥歯を噛み締めた。言えるわけがないのだ。好きな人が他人のものになるのが許せないなんて・・・言えない。
そこから誰も喋らずにただただ時間が過ぎていった。三十分後にようやく沈黙を破ったのは双子だった。
「ねぇ、もう皆で隠してること暴露しちゃえば?」
「そうそう。翔馬の言う通りにした方が絶対解決が早いって」
二人並んでソファに座っているその光景は愛らしいが、レオから見るとただの憎たらしいだけの塊なのだろうか。
「調子乗らないでくれる?俺隠し事なんて何もないから」
「ほらまたそうやって嘘つくー!」
「レオ先輩は嘘の塊じゃないですかー!」
双子がいくら騒いでもレオはもう口を開かなかった。これ以上口を開けば何もかも吐き出してしまいそうになるからだ。だから頑なに口を閉ざす・・・しかし、それは無駄な努力だった。
「何か隠してんならさっさと吐き出せよ。いい加減呪うぞ」
「・・・っさいなぁ!今更アンタに呪われたって怖くないんだよ!もうとっくの昔に俺は呪われてんだよ!!」
凌太の言葉が地雷だったためレオは一気に心を乱してしまった。我に返った時にはもう遅かった。凌太は真剣な顔をしてレオの中身を探る。
「呪われてるってどーいうことだレオ」
「アンタには関係ない」
「答えろ」
「だから関係ないって言って___」
「いつ生まれたんだ?」
その質問にレオは固まる。手と息が小刻みに震え始める。床に膝をつき荒い呼吸をする。
「過呼吸だね」
昴はそう言ってレオに近寄ろうとした。が、それを凌太が阻止する。代わりに自分がレオに近寄ったのだ。苦しそうに胸を抑えるレオを抱き締め背中をさする。
「落ち着いてゆっくり息をしろ。何も怖くねぇよ。呪いだかなんだか知らねぇけどどんなお前でも巳鶴は絶対受け入れてくれる。巳鶴が受け入れる人間は俺だって受け入れる」
表示されている"39.3"という数字に生徒会メンバーは息を飲んだ。凌太は体温計を机に強く叩きつけるとレオの胸ぐらを掴み鬼の様な形相でレオを責めまくる。
「何巳鶴に無理させてんだよ・・・女が魔法を使うのは男よりも二倍大変だってことくらいてめぇも知ってんだろーが!!」
「知ってるよ。だからこそ巳鶴に魔法を使わせた。死なない程度に」
「ふざけんな!こんな高熱出させておいて何へらへらしてんだよ!!人の命に関わることだぞ!?」
「だから!巳鶴が大切だからこそ魔法を使わせたんだよ!!もし急に魔界との時空が歪んだらどうすんのさ!?巳鶴だけ俺達について来れなくて先に死ぬじゃん!今のうちに魔法を使わせて耐性をつけさせておくんだよ!!そんなことも分からないの!?」
凌太は返す言葉がなくレオの服から手を離した。ベッド身を預けて眠っている巳鶴を横目で見ると右手で頭を抱えながらしゃがみ再び口を開く。
「だからって、主にすることねぇじゃんかよ」
凌太の沈んだ声が保健室に響いた。
「それは俺も同意だ。耐性をつけさせたいなら主なんかにさせなくても魔術を教えれば済むことじゃないかい?」
続けて喋り出したのは副会長の昴だった。
「秋星くんを主にした理由が他にあるなら答えてもらおうか」
レオはその言葉に奥歯を噛み締めた。言えるわけがないのだ。好きな人が他人のものになるのが許せないなんて・・・言えない。
そこから誰も喋らずにただただ時間が過ぎていった。三十分後にようやく沈黙を破ったのは双子だった。
「ねぇ、もう皆で隠してること暴露しちゃえば?」
「そうそう。翔馬の言う通りにした方が絶対解決が早いって」
二人並んでソファに座っているその光景は愛らしいが、レオから見るとただの憎たらしいだけの塊なのだろうか。
「調子乗らないでくれる?俺隠し事なんて何もないから」
「ほらまたそうやって嘘つくー!」
「レオ先輩は嘘の塊じゃないですかー!」
双子がいくら騒いでもレオはもう口を開かなかった。これ以上口を開けば何もかも吐き出してしまいそうになるからだ。だから頑なに口を閉ざす・・・しかし、それは無駄な努力だった。
「何か隠してんならさっさと吐き出せよ。いい加減呪うぞ」
「・・・っさいなぁ!今更アンタに呪われたって怖くないんだよ!もうとっくの昔に俺は呪われてんだよ!!」
凌太の言葉が地雷だったためレオは一気に心を乱してしまった。我に返った時にはもう遅かった。凌太は真剣な顔をしてレオの中身を探る。
「呪われてるってどーいうことだレオ」
「アンタには関係ない」
「答えろ」
「だから関係ないって言って___」
「いつ生まれたんだ?」
その質問にレオは固まる。手と息が小刻みに震え始める。床に膝をつき荒い呼吸をする。
「過呼吸だね」
昴はそう言ってレオに近寄ろうとした。が、それを凌太が阻止する。代わりに自分がレオに近寄ったのだ。苦しそうに胸を抑えるレオを抱き締め背中をさする。
「落ち着いてゆっくり息をしろ。何も怖くねぇよ。呪いだかなんだか知らねぇけどどんなお前でも巳鶴は絶対受け入れてくれる。巳鶴が受け入れる人間は俺だって受け入れる」
