その中から凌太の姿を捉えた。私の知っている凌太は何ごとにも雑で自己中でナルシストでちゃらんぽらんだ。でも・・・あれは生徒会の時の顔なのか?とても真面目な顔をしている。こんな遠くからでもつい見とれてしまう。美形なのは認めているので仕方がない。
ふと見とれていた本人と視線がぶつかる。凌太は目を見開くと辺りを見回し始めた。再び視線を交わすと私は口に人さし指を当て、黙っててという合図を送った。その合図に凌太は頷くともう私とは視線を合わせなくなった。
「レオ。凌太がこっちに気付いたよ」
「いいよ。どうせその金髪以外の皆も後からこっちに注目するんだから」
「何するの?」
「俺なりのテストのやり方」
レオは軽い準備運動をしてから私の目の前まで歩み寄って跪いてきた。
「ちょ、何して___」
「巳鶴」
まっすぐ見つめられたまま名前を呼ばれ私の言葉は遮られた。思わず「はい」と返事をしてしまう。
返事を聞いたレオは私の右手を自分の左の手のひらに優しく乗せると手の甲に柔らかなキスを落とした。
「俺の主になってください」
一瞬、何が起きたのか理解出来なかった。だけど、そのレオのセリフはくすぐったいくらいに耳に残っていて、キスを落とされた手の甲も熱い。
脳が状況を飲み込めずに勢いだけでまた「はい」と返事をしそうになった。
「ちょっと待って、何して・・・主って何?」
手の甲だけでなく顔にまで熱が集中し出した。私の顔を見たレオも赤面し始めて声を荒げる。
「はぁ!?アンタ魔法使いに主が必要なことくらい知っときなよ!!」
「そんなこと言われたって・・・あ」
思い出した。この学園に入学してすぐ凌太が教えてくれたこと。
"基本魔法使いは主無しでは無力。魔法使いはこの人間界に迷い込んだ魔物を魔界に帰す事が役目。その役目を果たすには主が操る"オーブ"の力が必要"
「主のこと、凌太に教えてもらったはず」
「なら主のことは話さなくていいかな。さっき俺が手の甲にキスしたのは、"主について行きます"っていう誓い方」
「なんてハレンチな誓い方!」
ふと見とれていた本人と視線がぶつかる。凌太は目を見開くと辺りを見回し始めた。再び視線を交わすと私は口に人さし指を当て、黙っててという合図を送った。その合図に凌太は頷くともう私とは視線を合わせなくなった。
「レオ。凌太がこっちに気付いたよ」
「いいよ。どうせその金髪以外の皆も後からこっちに注目するんだから」
「何するの?」
「俺なりのテストのやり方」
レオは軽い準備運動をしてから私の目の前まで歩み寄って跪いてきた。
「ちょ、何して___」
「巳鶴」
まっすぐ見つめられたまま名前を呼ばれ私の言葉は遮られた。思わず「はい」と返事をしてしまう。
返事を聞いたレオは私の右手を自分の左の手のひらに優しく乗せると手の甲に柔らかなキスを落とした。
「俺の主になってください」
一瞬、何が起きたのか理解出来なかった。だけど、そのレオのセリフはくすぐったいくらいに耳に残っていて、キスを落とされた手の甲も熱い。
脳が状況を飲み込めずに勢いだけでまた「はい」と返事をしそうになった。
「ちょっと待って、何して・・・主って何?」
手の甲だけでなく顔にまで熱が集中し出した。私の顔を見たレオも赤面し始めて声を荒げる。
「はぁ!?アンタ魔法使いに主が必要なことくらい知っときなよ!!」
「そんなこと言われたって・・・あ」
思い出した。この学園に入学してすぐ凌太が教えてくれたこと。
"基本魔法使いは主無しでは無力。魔法使いはこの人間界に迷い込んだ魔物を魔界に帰す事が役目。その役目を果たすには主が操る"オーブ"の力が必要"
「主のこと、凌太に教えてもらったはず」
「なら主のことは話さなくていいかな。さっき俺が手の甲にキスしたのは、"主について行きます"っていう誓い方」
「なんてハレンチな誓い方!」
