主争奪魔法学園

………え?今、神崎さん何て…?

「馬鹿か、いくら可愛いくても男には手出さねぇよ。んで、その一年生はどこだ?」

「この子よ」

私が神崎さんと金髪野郎の会話を理解しようと必死に脳を回転させていたら神崎さんに背中を押された。金髪野郎の顔を目がはっきりと捉える。その瞬間、私の脳は全てを理解し、一気に血が引いた。驚いた顔をして金髪野郎が口を動かす。

「あれ…巳鶴?」

「りょ…凌太?」

私と金髪…凌太が互いに名前を呼び合う。私達の様子に違和感を覚えた神崎さんは察したのか私の荷物を部屋の中に運びながら言う。

「お前ら知り合いなのか。なら丁度良い。斎藤、お前秋星さんの性別誰にも言うんじゃねぇぞ」

「ちょい待て神崎!何で巳鶴がこの学園に…」

私を横目でチラチラ見ながら喋る凌太。この様子は混乱しているみたいだ。そんな凌太に神崎さんはお構いなし。

「秋星さんも、知り合いと同じ部屋の方が落ち着くでしょ?」

「いえいえいえ全く!落ち着くどころか相手が凌太なら尚更怖いです!いつ襲われるかわかりません!!」

「はぁ!?お前みたいなまな板、1mmも興味ねぇよ!」

その言葉から私と凌太の取っ組み合いが始まった。その間に神崎さんが割って入る。