蛍を受け止めていたのは生徒会副会長の神院昴先輩だった。
「あれ、君は・・・」
私が昴先輩を呼んだ声は本人には届いていなかった。昴先輩の目線は蛍さんにあったのだ。
「すみません。大丈夫ですので」
昴先輩の前になった瞬間先ほど私と話していた声が別人かのように一気に低く男らしい声へと変わった。蛍の顔を見て昴先輩は一瞬目を細めたが、女子だと気付かれてしまうと察知した蛍は自ら先輩から離れると私を置いて教室へと戻ってしまった。
屋上に残された私は昴先輩と2人きりになってしまった。昴先輩は私を見るなり笑顔で問う。
「あれ?秋星くんじゃないか。何でこんな所にいるの?サボりかな?」
「うっ・・・」
生徒会長と比べて副会長はまるで鬼だ・・・会長がしっかりしてないぶん副会長がきっちりするのだろう。
私はサボりかどうか問われて「はいそうです」とすぐに答えられるほど素直じゃない。まずサボりだなんて胸を張って言うことじゃない・・・いや、それ以前に私には張れるほどの胸が・・・。
「図星かな?」
昴先輩の言葉にドキッとしながらも笑って誤魔化そうとしたがそのやり方は駄目だったらしい。
「一年のくせに授業をサボったうえ先輩の言葉に笑い声で返すなんて、躾がなってないねぇ?俺の部屋に来る?たっぷりしつけてあげるよ」
「すみませんでしたぁぁあ!!」
昴先輩の言葉といい笑みといいオーラといい全てが恐ろしく思えてきた私はこれから先、もう生涯を終えるまでしないだろうと思われる全力の土下座をした。
「そんな可愛いことされると飼いたくなっちゃうな〜」
私にどうしろと・・・何をしてもこのドS副会長からは逃れられないのか。私はこの学園を卒業するまで一人で賞金なんてない逃走中をしなければいけないのか。どうしてこの学園には動物園の動物の様に個性豊かな奴らばかり集まるんだ!ここは動物園なのか?校門のところに本当は「個性的動物園」って表示されているのでは!?
「待て!私は違うだろ!個性的の類にも入ってねぇし動物じゃねぇよ!!」
「え?あぁ、動物じゃなくても人間は飼いたいと思うよ?」
昴先輩のその言葉を聞いて我に返った私はハッとする。一人称を僕にするのを忘れてしまっていた。が、どうやら気付かれていなかったようだ。
「そ、それはそうと昴先輩はどうして屋上に?」
「あぁ、ちょっと今度の実技テストに向けて練習しておこうと思って」
実技テスト・・・ということは魔法か。ん?魔法?実技テスト?私聞いてないぞ?
「昴先輩、その実技テストって学年や属性関係なしにあるんですか?」
「勿論だよ。今週の金曜日にね」
・・・・・・嘘だと言ってくれ。
入学してから魔法の学園だと知って色々な方と関わって精一杯なのに・・・そのうえ女子である私は魔法を使う時に精神を男子の倍削ることになる。テストとかはせめて環境に慣れてからが良かった・・・。
最悪のタイミングのテストに私は大きな溜息を吐く。私が何を言いたいのか察した昴先輩は一つ提案する。
「魔法のこと。まだ全然わからないなら教えてあげるよ。なんなら今からやる俺の練習見る?」
「あれ、君は・・・」
私が昴先輩を呼んだ声は本人には届いていなかった。昴先輩の目線は蛍さんにあったのだ。
「すみません。大丈夫ですので」
昴先輩の前になった瞬間先ほど私と話していた声が別人かのように一気に低く男らしい声へと変わった。蛍の顔を見て昴先輩は一瞬目を細めたが、女子だと気付かれてしまうと察知した蛍は自ら先輩から離れると私を置いて教室へと戻ってしまった。
屋上に残された私は昴先輩と2人きりになってしまった。昴先輩は私を見るなり笑顔で問う。
「あれ?秋星くんじゃないか。何でこんな所にいるの?サボりかな?」
「うっ・・・」
生徒会長と比べて副会長はまるで鬼だ・・・会長がしっかりしてないぶん副会長がきっちりするのだろう。
私はサボりかどうか問われて「はいそうです」とすぐに答えられるほど素直じゃない。まずサボりだなんて胸を張って言うことじゃない・・・いや、それ以前に私には張れるほどの胸が・・・。
「図星かな?」
昴先輩の言葉にドキッとしながらも笑って誤魔化そうとしたがそのやり方は駄目だったらしい。
「一年のくせに授業をサボったうえ先輩の言葉に笑い声で返すなんて、躾がなってないねぇ?俺の部屋に来る?たっぷりしつけてあげるよ」
「すみませんでしたぁぁあ!!」
昴先輩の言葉といい笑みといいオーラといい全てが恐ろしく思えてきた私はこれから先、もう生涯を終えるまでしないだろうと思われる全力の土下座をした。
「そんな可愛いことされると飼いたくなっちゃうな〜」
私にどうしろと・・・何をしてもこのドS副会長からは逃れられないのか。私はこの学園を卒業するまで一人で賞金なんてない逃走中をしなければいけないのか。どうしてこの学園には動物園の動物の様に個性豊かな奴らばかり集まるんだ!ここは動物園なのか?校門のところに本当は「個性的動物園」って表示されているのでは!?
「待て!私は違うだろ!個性的の類にも入ってねぇし動物じゃねぇよ!!」
「え?あぁ、動物じゃなくても人間は飼いたいと思うよ?」
昴先輩のその言葉を聞いて我に返った私はハッとする。一人称を僕にするのを忘れてしまっていた。が、どうやら気付かれていなかったようだ。
「そ、それはそうと昴先輩はどうして屋上に?」
「あぁ、ちょっと今度の実技テストに向けて練習しておこうと思って」
実技テスト・・・ということは魔法か。ん?魔法?実技テスト?私聞いてないぞ?
「昴先輩、その実技テストって学年や属性関係なしにあるんですか?」
「勿論だよ。今週の金曜日にね」
・・・・・・嘘だと言ってくれ。
入学してから魔法の学園だと知って色々な方と関わって精一杯なのに・・・そのうえ女子である私は魔法を使う時に精神を男子の倍削ることになる。テストとかはせめて環境に慣れてからが良かった・・・。
最悪のタイミングのテストに私は大きな溜息を吐く。私が何を言いたいのか察した昴先輩は一つ提案する。
「魔法のこと。まだ全然わからないなら教えてあげるよ。なんなら今からやる俺の練習見る?」
