その数秒後にレオは巳鶴の寝顔を見て、ふっと笑いながら蛍に言う。

「でも、可愛いくないことはないんじゃない?寝顔」

レオの見せる笑顔に少しだけ蛍の胸が音を立てた。レオの表情はレオが思っているよりもすごく優しい表情だ。蛍は無自覚にそんな笑顔を振り撒いてるレオを少し可愛いと思っていた。

「なにニヤニヤしてんの?気持ち悪い」

「毒を吐かなければいいのに」

レオの毒の言葉で上がっていた口角が下がる。口の悪さと顔立ちだけは一流だな・・・声にはしないが心の中でそう呟いた。

「レオさん、質問いい?」

「ん?何」

面倒くさそうな顔をしながらも蛍の質問に答えることにしたレオ。レオからの承諾を確認した蛍は数秒間黙ってから口を開いた。

「レオさんって頭良いの?」

「は?何それ・・・まぁ、中学の時はいつもテストの結果で三位以内には入ってたよ」

「よし。レオさんはおっけーだわ。巳鶴は真面目だから多分いける」

蛍はレオから質問の答えを聞くなり自分の頭の中で思考を整理し始めた。勿論レオに蛍の考えていることなど分かるわけもなかった。

「ちょっと、どういうこと?勝手に質問しといて何も話してくれはいわけ?超ウザイんだけど」

「女じゃないんだからウジウジ言うなよ・・・その、俺がさっき話してた"追いかけてる人"を探すのを一緒に協力してほしい」

「それで?その人探しと俺の成績がどう関係してんの?」

「生徒会に入るんだ。この三人で一緒に」

「無理。面倒くさい」

蛍の考えを迷わず拒否したレオに対して蛍は頭を下げて必死にお願いする。

「俺一人じゃ無理なんだ・・・生徒会に入ればこの学園の生徒情報も間近にあるし先生達と交流する時間だって増える。俺にとって命の恩人・・・大切な人なんだ。だから、協力してください。お願いします」