主争奪魔法学園

どうしよう・・・ただでさえ予習も何もせずに学園に入ったのに授業なんてサボったら私ついていけないじゃん。でも・・・今日はこの広い学園の中で新しい友達もできたわけだし、いいかな。そう考えて私は開き直ると屋上に横たわった。

「はぁ〜・・・たまにはこうやってゆっくり寝るのもいいかもね」

「・・・巳鶴が寝るなら俺も寝る」

「・・・二人が寝るなら俺も寝よ」

私に続いてレオと蛍が私を挟むように隣に横たわる。久し振りかもしれない。こんなにのんびり友達と空の下で過ごすのは。あまりにも暖かい春風が私に眠気を誘う。
瞼を閉じると両側から「おやすみ」の声が聞こえた。その声も聞き心地が良かったため私は5分もせずに眠りについてしまった。


____「巳鶴ちゃん寝た?」
レオにそう問いかけたのは蛍だ。レオはその問いに首を縦に振ると自分の上着を巳鶴の体に被せる。その様子を見た蛍はレオをからかうように微笑みながら喋る。

「優しいんだね。好きなの?巳鶴のこと」

「勘違いしないで。優しくないから。風邪引かれたら俺につっかかってきそうで嫌だから掛けただけ。好きじゃないし」

「ふ〜ん・・・素直じゃないなぁ」

「はぁ?どーいう意味?」

「そのまんまの意味」

蛍の悪戯な笑みにレオは一瞬戸惑いながらも蛍から目を逸らした。

「好きじゃないって言ってんじゃん!」

「あ、レオさんが大声出すから巳鶴ちゃん起きちゃったじゃん」

「っ!?」

巳鶴が起きたということに焦りを見せたレオは空にあった視線を巳鶴へと移す。が、そこにはヨダレを少し垂らしながら気持ち良さそうに寝ている巳鶴しかいない。

「・・・性格悪」

「ちょっと冗談言っただけじゃん☆てか、そんなに巳鶴ちゃんに寝ていてほしいの?」

「こんなに気持ち良さそうに寝てる奴を起こすとか罪が重いじゃん」

「寝顔が見たいんじゃないんだ」

「勝手に訳わかんない理由つけないでくれる?」

蛍の口から出るからかいの言葉一つ一つにレオは溜息をこぼす。