体がふわりと軽くなった。橋から落ちる・・・そう思って目を閉じた。だけど違った。体が軽くなったのは橋から落ちたからじゃない。人に抱えられたからだ。それに気付いたのは雨。降っているはずの雨が私に当たらなくなったため閉じていた目を開く。男が一人、私を抱えていた。
「君、大丈夫?危ないよ」
傷だらけの私を見て気持ち悪いなんて言わなかった。存在を否定しなかった。
「何で泣いてるの?」
頭からつま先までびしょ濡れな私の涙に、気付いてくれた。私はそれが嬉しかった。心の芯から温かくなれたのは生まれて初めてだった。
「うっ、ぅう・・・うわぁぁあああん」
「え、どうしたの!?傷が痛い?」
私は泣くことしか出来なくて、お礼が言いたくても泣いてるため喉から出す声が全て嗚咽の様になってしまう。結局最後までお礼を言えずに彼は私に笑顔を見せると背中を向けてどこかへ行ってしまった。
その時にはもう、雨は上がっていて蒼く澄んだ空に虹がかかっていた。その空はまるで全てを吐き捨てて綺麗になった私の心をそのまま描いた様だった____
蛍さんの話が終わってしばらく三人の間を沈黙が満たす。その沈黙を破ったのはやはり蛍さんだった。
「なんか、重い話になっちゃったね」
「ううん、とっても素敵な話だったよ!そんな王子様みたいな人がこの学園にいるんだ・・・」
私が夢を見るような目でその王子様を想像しているとレオが隣から邪魔してきた。
「王子様ならここにもいるけど?」
「黙って。私の夢を破滅させないでくれる?」
そこから私とレオさんの言い合いが始まった。その光景を見て蛍さんはくすりと笑う。授業のことなんて忘れて三人で屋上で雑談する。流れる時間のことなんて忘れているといつの間にか一時限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。そこで私はハッとする。
「しまった!授業さぼっちゃった!!」
「え、今更?」
「レオはサボり慣れてるからいいと思うけど!私は違うの!!」
「君、大丈夫?危ないよ」
傷だらけの私を見て気持ち悪いなんて言わなかった。存在を否定しなかった。
「何で泣いてるの?」
頭からつま先までびしょ濡れな私の涙に、気付いてくれた。私はそれが嬉しかった。心の芯から温かくなれたのは生まれて初めてだった。
「うっ、ぅう・・・うわぁぁあああん」
「え、どうしたの!?傷が痛い?」
私は泣くことしか出来なくて、お礼が言いたくても泣いてるため喉から出す声が全て嗚咽の様になってしまう。結局最後までお礼を言えずに彼は私に笑顔を見せると背中を向けてどこかへ行ってしまった。
その時にはもう、雨は上がっていて蒼く澄んだ空に虹がかかっていた。その空はまるで全てを吐き捨てて綺麗になった私の心をそのまま描いた様だった____
蛍さんの話が終わってしばらく三人の間を沈黙が満たす。その沈黙を破ったのはやはり蛍さんだった。
「なんか、重い話になっちゃったね」
「ううん、とっても素敵な話だったよ!そんな王子様みたいな人がこの学園にいるんだ・・・」
私が夢を見るような目でその王子様を想像しているとレオが隣から邪魔してきた。
「王子様ならここにもいるけど?」
「黙って。私の夢を破滅させないでくれる?」
そこから私とレオさんの言い合いが始まった。その光景を見て蛍さんはくすりと笑う。授業のことなんて忘れて三人で屋上で雑談する。流れる時間のことなんて忘れているといつの間にか一時限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。そこで私はハッとする。
「しまった!授業さぼっちゃった!!」
「え、今更?」
「レオはサボり慣れてるからいいと思うけど!私は違うの!!」
