主争奪魔法学園

着替えを済ませて寮を出た私は外の空気を目一杯吸った。

「いやー、今日もいい天気ですな」

「あんたの脳内はいつでもどしゃ降りじゃないの?」

校舎へと向かっている私にからかう様な口調で背後から話掛けてきたのはレオだった。

「レオ、おはよ。あんたに正しい友達の作り方教えてあげようか?まず挨拶しろ!てか私の脳内年中晴れだわ!」

レオの言葉に少し地雷を混ぜながら返す。予想通り、レオはご機嫌斜めになってしまった。

「別に友達いないわけじゃないし、むしろいるし…あ、女みたいな男に俺の友達事情なんて分かるわけないか」

「それ逆!私女だから!"女みたいな男"じゃなくて"男みたいな女"だから!貧乳馬鹿にすんなよカス!!」

「カスにカスって言われちゃった…もう俺死ぬかもしれないわ」

頭を押さえながらうっと苦しそうな顔をするレオ。おい、演技に集中してんじゃねぇぞ。転けるぞ…あ、転けた。

「…だっさ。てかレオ私への扱い朝から雑じゃね?そもそもそんなキャラじゃないよね?」

転けて頭を強く打ち付けたレオは起き上がると爽やかな笑顔を向けて私に気色悪い言葉を放った。

「やぁハニー、今日も小鳥達の歌が耳に癒しを運んでくれるね」

「誰!?あんたほんとに誰!?きもっ!保健室じゃ済まないよ!待って、今救急車呼ぶから」

「嘘だよ馬鹿」

あ、良かった。冗談なのね。もうちょっと分かりやすい冗談にしてくれなきゃ私困るから…。
とりあえず止めていた足を再び校舎へと向かわせる。レオのボケが炸裂したところで私は話題を変えることにした。

「今日の授業って…昨日と一緒なの?」

「う~ん…どうだろ。俺授業中は教室にいないからわかんない」

「何しに学校来てんの」

授業の内容が分からないとは…昨日と同じなら私の身も危ないな。二日連続で倒れたらそろそろ命が…まぁ私頑丈だから大丈夫だと思うけど。

「…無理したら駄目だよ」

「へ?」

声は小さかったが、確かにレオは何か言った。レオの言葉を拾い損ねた私はレオにもう一度言ってもらうようにお願いする。

「ごめん、聞こえなかった。もっかい言って」

「昨日みたいに倒れて死んで」

「は!?」

小さな声でそんな不吉なことを言っていたのか!なんて奴なんだ…レオが優しいのか優しくないのかが分からなくなってきた。