――男装生活3日目

今日はベットから落ちなかったため朝から騒ぐことはなかった…はずなのだが。

「何してるんですか?」

「お邪魔してます」

朝起きて早速おかしな光景が目に入る。布団で熟睡中の凌太の隣に携帯を構えている男…昨日の朝にも会った"自称恋のハンター"だ。こいつ…一体いつからこの部屋に居たのだろうか。私が凌太の買ってきたカルボナーラを食べてる時にはもう忍び込んでいたとか…?やべ、吐き気と寒気が私を襲ってくる。

「あの…帰ってくれませんか?」

「分かった、あと一枚で凌太フォルダの記念すべき千枚目だから待ってくれ」

千枚目!?嘘だろ!こんなちゃらんぽらんな奴の姿撮ってて楽しいのか!?人生損してるよこの人!!

「こいつのどこがいいんですか…」

「全てだな」

駄目だ…この人かなり重症だ。精神科紹介しないと。
私は携帯を手にするとこの学園の近くにある病院を検索する。

「ちょっとお嬢さん、何で病院検索してんの?てか検索履歴にストーカー対処法ってあったけど俺のことじゃないよね?」

「あ、2km離れた所に精神科があるらしいのでそこに行って……って、え?」

あれ、このストーカー…今私のこと何て?

「失礼なお嬢さんだな…」

聞き間違いじゃなさそう!?私のことお嬢さんって呼んだ…そう言えば、昨日初めて会った時もそう呼ばれた気が…。

「な、何でわ…僕のことをお嬢さんって呼ぶんですか?」

「え、だってお前女だろ?」

その言葉に衝撃を受けた。
私こいつに女なんて言った覚えない…てか、これから言うつもりもない!

「な、何言ってるんですか?僕男ですよ」

なんとか誤魔化そうと必死に嘘をつく。が、通用しないらしい。

「いや、昨日会った時着替えてただろ?その時履いてた下着、どー考えても女ものだろ…顔立ちといい体つきといいもろ女じゃん」

「てめぇ下着見たのか!神聖なる女の子の下着を!罰金10万円じゃ我ぼけぇ!!」

「はぁ!?何それ、下着見ただけで10万って頭おかしいんじゃないの?てか、俺女なんて興味ないから!」

……あ、そっか。ホモでしたね、失礼しました。