「脱がせ脱がせー!」

「脱がせ脱がせー!」

声を揃えながらそう言ったのは双子の翔馬くんと相馬くんだ。私は同時に襲いかかってきた2人を避けて寝ている凌太の上へ乗っかった。

「凌太起きて!私の命の危機!!」

「ぐへぁ!」

凌太は苦しそうに声を上げて私を見ると眠たそうな口調で喋る。

「何…どうしたの」

「会長、秋星くんのこと…説明してくれるかな?」

昴先輩が寝起きの凌太に問う。その昴先輩の笑みとセリフで凌太は完全に目を覚ました。

「…何のことだ?」

「秋星くんの性別について」

「……巳鶴は男だけど、何か問題でも?」

「証明…してくれるかな」

…もう逃げられない。私はこれ以上凌太に迷惑をかけたくないため女であることを告白しようとした。

「あの、実は……っ!」

だけど、その言葉を最後まで続けることは出来なかった。凌太が私のシャツの上の4つのボタンを外して胸の膨らみが分かるか分からないかくらいまでシャツを開けて広げていたのだ。

「な…なっ……」

「落ち着け、我慢しろ。お前に谷間はねぇんだ。少しだけでも見せれば奴らも男だと認識するだろ」

小声で言う凌太だが、後で顔面パンチの刑が下ることになる。私の少し見える胸を他の男子がまじまじと見つめてくる。ダメだわ、もう私お嫁にいけない。大体、いくら貧乳だからって少しは膨らんでますよ!こんなのすぐにバレるに決まってんじゃん!
今にも泣きそうなのを必死に堪えていると昴先輩が口を開く。

「…すまなかった。胸を触られた反応が女の子みたいだったから…疑って悪かったよ秋星くん」

………え?

「僕びっくりしちゃったよ…変な声出すし柔らかかったし」

………え、え?

「なーんだ、つまんないの」

「つまんないの」

ちょっと待て、お前ら神聖なる女の子の胸を見て気付かないの!?