「…昴先輩が先程言った様に一年生は生徒会に入れないですし、私自身まだこの学園の環境や先輩達に不慣れです。それに、何も出来ない私が生徒会に入っても意味がありません」

「いや、お前は何も出来ない訳じゃねぇ」

私の述べた理由を竜樹さんは否定した。一体どういうつもりなのだろうか。もしかして私の意見はまともに聞いてくれないのだろうか…お前に拒否権はねぇ的なやつですか?拒否権どころか人権もねぇよ的なやつですか!?

「私は立派な人間です!」

「知ってるから落ち着け」

知ってるなら何故私の意見を受け入れてくれないのだろうか…"何も出来ない訳じゃねぇ"ってどーいうこと?逆に聞くけど私に何が出来るのさ!

「お前は魔法を普通の人の何倍も早く使うことが出来た。しかも基礎学習無しで。これはお前が思っている以上に凄い事なんだ。それに情報によると中学の頃は成績優秀で常に首席だったらしいじゃねぇか」

「あれは問題が簡単過ぎるんです。竜樹さんだって中学の問題なんて簡単過ぎて反吐が出るとか思いませんでした?」

………あれ、何で皆黙るんだろ。あれ、何で竜樹さん泣いてんだろ。あれ、何で皆して私を冷たい目で見てくるんだろ!?

「竜樹は中学から現在も、赤点ギリギリだもんな」

凌太はそう言いながら竜樹さんをなぐさめる様にして背中をさすっている。てか赤点ギリギリ?嘘でしょ?あ、見た目からして中学の時は不良だったとかかな…だから赤点ギリギリだったとか…?
竜樹さんは顔を俯かせながらぶつぶつと何かを言っている。

「…国語とか呪文以外のなにものでも無いだろ……数学とか何あの図形、どの角度から見ても訳の分からん魔法陣じゃねぇか……歴史とか存在してない人の勉強して何になるんだよ………」

えぇ!?まさか本気で勉強してたんですか!?てか、中学の授業ってそこまで勉強しなくても余裕で100点取れる……。

「全国の勉強出来ない人の敵だよね」

冷たい目で深月くんにそう言われた。深月くんだって、全国の貧乳女子の敵だぞ!
そうか、私と深月くんは似た者同士なのかも知れない…もしかして"全国の○○の敵"の仲間として同盟を組めるかも……。

「って、何が悲しくて男と同盟なんか組まなきゃいけないの!?」

「何突然意味分かんない事言ってんの?この一年生は頭が良いの?悪いの?どっちなの凌ちゃん!」