「なんか、中学二年の時にここの学園祭に行ったら魔法で戦っててさ…楽しそうだったから参戦したら理事長に声掛けられて、中学放棄して14歳でここに入学したんだ」

「それいいの!?」

義務教育放棄って…てか理事長!強引過ぎるのにも程があるだろ!中学校側は何も言わなかったわけ?

「ほんと、理事長の行動力に俺達もびっくりしたよ。ね、翔馬」

「ほんとだね、相馬」

双子…翔馬くんと相馬くんは困った様な顔をしながらも笑っていた。竜樹さんもその話題に参加する。

「びっくりなんてもんじゃねぇよ。魔法のことなんて毛ほども知らねぇ奴が急に魔法を使ったんだ。夢かと思っちまったぜ」

私を生徒会に入れる話からいつの間にか凌太が文化祭で暴れた話になってしまっている。このまま私の話を皆忘れてくれれば良いのに…。

「まぁ、理事長の行動力のおかげで現在優秀で生意気な年下の生徒会長がいるんだ。感謝はしないとな」

「おい昴!一言余計だぞ!」

話が逸れて皆が本題を忘れていたその時、深月くんが机を叩いて言葉を放った。

「ちょっと皆!この一年生を生徒会に入れるかどうかの問題じゃなかったの?」

くそ、深月くんめ…皆が本題を忘れて時の流れに身を任せて夜遅くまで騒ぎそのまま帰ってくれると思ったのに!

「あ、そうだったな」

「入りません!」

私はそう強く主張すると竜樹さんがその主張に対して私に問い質す。

「理由を聞かせてもらおうか。誰もが納得する理由があるならお前は生徒会に入らなくていい」

「理由…ですか」

自分自身が男として過ごしているのに男まみれの生徒会に入るのは嫌だなんて言えない。