「凌ちゃーん、来たよ!」

私と凌太の声しか聞こえなかった部屋に新たな声が加わる。玄関から入って来たのは生徒会の一員であり貧乳女子の敵でもある童顔男子だった。

「おう深月!来てくれてありがとな他の奴らは?」

凌太の問いに答えたのは童顔男子…深月くんではない別の声だった。

「ここにいるよ、会長」

「お疲れ様でーす!」

「お疲れ様でーす!」

「邪魔するぞ会長」

昨日の夜と同じ光景…生徒会メンバー全員がこの部屋にいる。

「皆さん…こんにちわ」

とりあえず挨拶をしておく。すると、昴先輩と目が合う。昴先輩はにっこりと笑って私に話かける。

「午前中は大変失礼なことをしてしまったね…すまなかった」

その笑顔にはきっと裏の感情が……午前中というのは…?

「秋星くんがスキンシップ苦手だって知っていたのにも関わらずついあんな大胆なことを…反省しているよ」

お姫様抱っこの件か!
何その誤解を招く様な言い方!やめて昴先輩!

「い、いいえこちらこそすみませんでした!まさかあんな事されるなんて思いませんでしたけど」

あれ、何か私まで誤解を招く様な答え方をしてしまった気が…。

「ふふっ、まだ慣れてないですからね。そんなに僕に抱かれるのが嫌なのかって思ってしまったよ」

笑顔が黒いですもうやめて!ごめんなさい!土下座して床舐めますからもう勘弁してください!!
心の中で昴先輩に謝罪しまくる。するとやはり、凌太がこの会話に首を突っ込んできた。

「おい昴、その会話の内容後でじっくり聞かせてくれ」

凌太…あんたが想像してるのとは少し違うからね。