主争奪魔法学園

レオは頬杖をつきながら嫌な顔をする。なるべく迷惑かけないようにするけどな…なんて考えているとレオが不思議そうに問い質してきた。

「ん？待って、まず何で家出する必要があるの」

「あ、実は寮に空き部屋がなかったらしくて…入学前に予約もしてなかったし、仕方なく他の男子と一緒の部屋に住んでるの。その男子が幼馴染みで、もしかしたら昔みたいに口喧嘩するかもしれないから…」

言い終わるとレオは「ふーん」と鼻で返事をした。それからもレオとは何気ない会話ばかりしてた。味覚や趣味が似ていたり、レオのお兄さんの話をしてもらったり…互いに知らなかった面を知ることが出来た。授業が終わりのチャイムを告げた時には私の足はすっかり元気になっていた。

「じゃ、先に教室戻るから」

「うん。また後でね」

私はレオくんを先に教室へ戻すと脱ぎかけのままになっていた濡れたズボンを脱いで新しいズボンに足を通した。靴下も代えるとベットから下り、脱いだズボンと靴下を持つとレオを追う様にして保健室から出た。
まだ少し足がフラフラするけど、歩けないことはない。私は少し歩幅を大きくして速足で教室へと向かう。
教室についたのは二時限目が始まる五分前だった。教室に戻るなり教室中の視線が私に降り注がれた。まぁ、倒れたもんね…私が意識飛ばした後騒がれたのかなぁ……。

「あ、いたいた！秋星くん！」

皆に注目されながらも自分の席に着こうと足を運ばせていると聞き覚えのある声に名前を呼ばれ足を止めさせられた。振り向くとポッ●ー先生が後ろから走って私に迫って来ていた。

「ポッ●ー先生！」

「誰それ、私のことかい？ポッ●ーよりも●ッポ派なんだけど…」

しまった！心の声が漏れて…てか気にするところそこなのか。

「私の名前は細川(ﾎｿｶﾜ)です。きちんと覚えて下さいね。それと、体調はどうだい？」

「だいぶ回復したのでもう大丈夫です。すみません、迷惑かけて」