「……んっ」
閉じていた瞼を上げる。目に映る色は白一色。辺りを見回してみると、私を囲う白いカーテン。体に掛けてある毛布も身を預けているベットも白。ここは……
「保健室?」
「そうだよ。やっと起きたの?」
意識を飛ばす寸前に耳に届いた優しい声がカーテン越しに聞こえた。カーテンの向こうにいる人が誰なのか知りたい。
「誰ですか?」
「キミのクラスメート」
「あなたが運んでくれたんですか?」
「そうだけど」
やっぱり。何度聞いても彼の声は冷たい様で優しかった。私をここまで運んでくれる…良い人だ。お礼を言いたい。
「こっちに来て下さい」
「…いいよ。教室戻るから」
「お礼を言いたいんです!」
「じゃあ早くして、ここにいるから」
…違う。そうじゃなくて。
「顔が見たいんです」
そう言うと彼は黙り込んだ。私には彼の姿が見えている。でも、それはカーテンに浮かんだシルエットとして。だから、きちんと顔を見たい。
暫くの沈黙の後、彼は短く溜め息を吐くとカーテンをスライドさせて姿を現した。
「ほんとに…キミって正直なのは良いことだけど、面倒くさいね」
彼…超絶不機嫌男子はそう言いながらベットにいる私を見下ろしてきた。
「あ、あの時の…」
「声で気付いてよね」
「ごめん、男嫌いだから声とか覚えたくないの」
「え、男なのに男嫌いなの?」
……しまった!
私としたことが…またもや超絶不機嫌男子に口を滑らせてしまった!
閉じていた瞼を上げる。目に映る色は白一色。辺りを見回してみると、私を囲う白いカーテン。体に掛けてある毛布も身を預けているベットも白。ここは……
「保健室?」
「そうだよ。やっと起きたの?」
意識を飛ばす寸前に耳に届いた優しい声がカーテン越しに聞こえた。カーテンの向こうにいる人が誰なのか知りたい。
「誰ですか?」
「キミのクラスメート」
「あなたが運んでくれたんですか?」
「そうだけど」
やっぱり。何度聞いても彼の声は冷たい様で優しかった。私をここまで運んでくれる…良い人だ。お礼を言いたい。
「こっちに来て下さい」
「…いいよ。教室戻るから」
「お礼を言いたいんです!」
「じゃあ早くして、ここにいるから」
…違う。そうじゃなくて。
「顔が見たいんです」
そう言うと彼は黙り込んだ。私には彼の姿が見えている。でも、それはカーテンに浮かんだシルエットとして。だから、きちんと顔を見たい。
暫くの沈黙の後、彼は短く溜め息を吐くとカーテンをスライドさせて姿を現した。
「ほんとに…キミって正直なのは良いことだけど、面倒くさいね」
彼…超絶不機嫌男子はそう言いながらベットにいる私を見下ろしてきた。
「あ、あの時の…」
「声で気付いてよね」
「ごめん、男嫌いだから声とか覚えたくないの」
「え、男なのに男嫌いなの?」
……しまった!
私としたことが…またもや超絶不機嫌男子に口を滑らせてしまった!
