「どうして私が受かったんですか?私、男子だけが通う学園だなんて知らなかったですし、大体試験前に生徒の情報は確認しておくはずですよね?」

私の質問に対し理事長ではなく理事長の隣にいるクールな女性が答えた。

「実はその情報確認なんだけど…」

女性はそこまで言うと眉間にしわを作り少し深刻そうな顔をする。女性の表情に理事長室の空気が凍る。私はあまりの緊張に思わず喉を鳴らしながら唾を飲んでしまった。やがて女性は重そうな口をゆっくりと開いた。

「ただのミスなの」

「ミスなのかよっ!」

さっきの無駄な沈黙は何だったんだ!?
女性は舌を出してウィンクしながら「てへっ」と言う。情報確認したのお前かよ。可愛いから許してやるよクソ。でも…

「私、これからどうすればいいんですか?ここに入学出来ないということはまた別の学校の試験に…」

また、ゼロからやり直しか。面倒くさいなぁ…なんてことを考えていると理事長が明るい声で喋り出す。

「心配いらんよ。秋星さんをここに入学させてしまったのはこちらのミス。責任を持ってこちらで預かろう」

「……え?」