「……ってぇ!何しやがんだぶす!!」

「そらぁこっちのセリフじゃボケ!この変態が!私とのキス許可証を提示しろ!!」

「は!?何の話だ!」

やっぱり寝ぼけていたのか…。

「…何でもない。それより生徒会の仕事は?」

私の言葉を聞くなり凌太は慌てて時計に目をやる。

「うっわもうこんな時間かよ!お前何で早く起こしてくれなかったんだよ!?」

「何度も起こしました!凌太が起きなかったんでしょ!?」

一気に服を脱いで着替え始める。危うくズボンと同時に下着までずり落ちそうになっていた。お願いだからその猥褻物だけは見せないでおくれよ…?

「朝ごはんは?」

「食堂で食べる。また後でな!」

そう言ってドタバタしながら凌太は部屋から出て行った。一人になった部屋で私は溜め息を吐いて干してある自分の制服に手をかける。

「さてと、私も着替えるかな」

上のパジャマを脱ぐと肌着を着てその上にポロシャツを着る。胸はないし、面倒だから基本ブラはつけない。女としてどうなのだろうか…まぁこの寮で暮らすとなるとブラは無い方が洗濯が気楽に出来る。寮に住んでいる人の洗濯物は屋上で干すというルールなのだ。今度男もののパンツも調達しておこうか。

「あれ、誰だお前」

着替えの最中に背後から声がした。凌太ではないと確信する。恐る恐る振り向くとそこには黒髪に赤のメッシュの男が立っていた。

「凌太の部屋で何してんだ?」