────朝────







「んー…ふぁ~」








もう朝か…うぅ二日酔いのせいか頭が痛い







私はある事に気付いた




こ、ここどこ?…しかもスーツのままだし…









両腕に何か暖かいものが当たっている






「わあぁぁぁぁ!?」





つい大声を上げてしまった。




だって男の人2人に挟まれているのだから…





「んん…」





「ふぁ~」




ま、まって…ちょっと待って


な、なんで鈴木郁斗と青木大志が
いるのぉぉぉ!?





大志「ん?おはよ」




「お、オハヨウゴザイマス」






郁斗「昨日は楽しかったねクスッ」





「へ?」




昨日は楽し…かった?



ハハッま、まさかね…


















「あ、あの…なんで私こんな所に居るの?」










大志「昨日、角田さんお酒飲みすぎて気絶したんだよ」





郁斗「それで俺んちに青木と一緒にお前を運んだわけ…」


ぇぇぇぇ!?そんな事があったなんて…


「あ、あの本当にすみませんでした…」




郁斗「本当だよ…はぁ重たかった」



「なっ!!」


何この人…デリカシー無さすぎ



大志「女性に向かって失礼だそ。角田さん今の気にしなくていいからね」


と太陽のような優しい笑顔の何処かに懐かしさを感じた

あの人に比べて…なんていい人なんだろう




私は一つ疑問を抱いた

「あの…なぜお2人は私のことを知っているんですか?」


そう私が聞くと2人とも同時に



『 は?』


「え?」


今思えばそうだこの2人とは面識が無いどころか、昨日初めて会ったばかりだ…

大志「覚えて…ないの?」



ま、まさかね…


私は頭の中で2人の名前を何度も何度も
読み返した…


青木大志…鈴木郁斗…あお…

考えれば考えるほど
何となく分かっているけれど思い出したくもない…



私は出来ればこの2人ともう関わりたくなかった…


私自身あの日の記憶を消してしまいたかった


もうこのまま知らないふりしちゃおうかな…



でも…人に嘘をつくのは悪いことだしなぁ



侑斗「思い出したみたいだな」



「えっ!?どうして?」




侑斗「お前の顔見てれば分かる。てか顔に 出やすいだろお前」





「あ…そう。」








────────シーン…




そういった途端に沈黙が訪れた。



そりゃそうだ。あの事があって以来私もだけどあの2人も口を聞いてない。



気まずすぎる…ど、どうしよう




沈黙を破ったのは青木君だった


「そろそろ会社じゃない?」



そう言われて時計を見るともうギリギリだった。