どれくらいたってからかな。






私は初めて、恋が甘いだけのものなんじゃないって
知ったんだ。









練習会の日。








「ねぇ、俊介って、彼女いんの?」


年上の女の先輩が俊介くんにきいてた。




ダメとわかっていながら私は耳に全神経を集中させた。








「えー、ああ。さぁ、どうですかね?」



なにそれ!

ちゃんと答えてー!!




そう思っていたら…………



「あー、俊介いるよ?彼女。」



その言葉をはなったのは、
俊介くんの、お姉さんで。



「おい、早紀!!」



「いいじゃん別に。」



「えー!やっぱり?モテそーだもんね。」

「名前は名前は?」







俊介くんは、困ったように頭を掻いて、







「………桃香です。」



小さく。でもはっきりと、


その名前を呼んだ。









私は、びっくりして。


けれどやっぱり、胸が………………














……………引き裂かれるぐらい痛かった。