その日の夜。
眠っていた私は外から聞こえた物音で目が覚めた。
教会の前に誰かがいる?
不審者かもしれないと思って窓から覗くと、倒れている人影が見えた。
急病人かも!?
私はベッドから抜け出すとショールを肩にかけランプの灯りを手にとって部屋を出た。
家の扉を開けると冷たい風が首筋を吹き抜けた。
季節は11月。
夜中は気温が低くマイナスになることもある。
早くしないと大変なことになるかもしれない!
教会の裏口にある軒下に、さっき見た人影は倒れていた。
もしかして…死んでいるかもしれない。
恐る恐る近づくと、うつ伏せで倒れていた人の「うぅっ。」と小さな声が聞こえた。

