「さ、今日も賛美歌を歌いましょう。」
「ちぇっ!また歌かよ。」
「わーい!マリ、歌好きー。」
私はオルガンに向かうと伴奏を始めた。
文句を言いながらもリックは渋々歌い出し、マリは目を輝かせて歌った。
それから3人で単語の綴りを覚えて、いつも朗読している物語の続きを読んだ。
「じゃあ、今日はこれくらいにしましょうか。」
私が片付けを始めると、2人の兄弟は机に向かったまま動こうとしない。
「あら、どうしたの??」
「…私たち今日はまだ何も食べてないの。」
マリはお腹を押さえて空腹に辛そうな表情を浮かべた。
隣のリックは強がって何も言わなかったが、同じ状況なのはすぐにわかった。
2人とも書き取りのときお腹がグーグー鳴っていたからだ。

