土曜日。


父が神父を務める教会で、私は子供たちと一緒にいた。


と言っても…。


私の前にはリックとマリの兄弟。


「何だー、今日も俺たちだけかよ!」


…2人だけ。


「で、でも、先生は2人が来てくれてとても嬉しいわ。」


まだまだ努力不足の私の教室に通ってくれるのはいつもこの2人だけ。


働かなくては食べていけない子達がここに来ることはほとんどない。


遊ぶ時間もないのに、学ぶ時間があるわけない。


ほとんどの子が家族や兄弟の為に働いている。


リックとマリはまだ他よりは楽な生活をしている家庭の子供だった。