「頼みが、ある…。」 「なに?」 「今から、言うものを… 用意して、ほしい。」 「ええ、分かったわ。」 「炙って、消毒した、ナイフと…。 針と糸。それから、あれば…テキーラかアルコールの、強い、酒。」 「そ、それって…。」 嫌な予感がした。 彼は血まみれの指でジャケットを脱ぐとゆっくりシャツのボタンを外しだした。 「…腹の弾は、貫通したが… 腕には、弾が、残っている…。」 露わになった上半身の腹部に、小さく丸い傷が見え、そこから大量の血液が流れていた。