もうひとつの影の男はしゃがみ、こけた時に落ちた私をそっと持ち上げた。
右手にカバンを持ち左腕に寝かせるかのようにして私を持ち店長のところまで歩いた。
「すみません。ほかは無事だと思いますが。本当にすみません。弁償します。」
もうひとつの影の男はそういいながら私をそっと店長に渡した。
「いや、逆に感謝してるよ。君がいなかったら何も戻って来なかった。この人形はもう売り物にならない。だから、もらってくれないか?」
私は何のことかさっぱりわからなかった
「え、いいんですか。大事にします!」
もうひとつの影の男は店長に深くお辞儀をしてまた私をそっと左腕に寝かせるかのようにして抱きしめた。
「ああ。きっとその子も喜ぶだろう。」
店長は微笑んだ
太陽が沈むと自然と眠りにつく。
ちょうどそのとき太陽は「疲れただろう。ゆっくりおやすみ」と言うかのようにゆっくり沈んだ。
そっと目を閉じた。