はぁー。危なかった。あのままあそこにいたら全部話してたよ…。

「てゆうか、飛び降りれなかった!!」

もー、最悪。てゆうか、青城君って不良だし、教室来てないから気づいてないよね。
私が…


    イジメられてるって。


いつからイジメられてるっけ。
確か…二年になってからだよね。
私が見た目を少し変えたから。
それで、調子に乗ってるって言われて机に落書きされて、上履き隠されて、教科書破られて、トイレに入ってたら水かけられたり。
いろいろされたなぁ。
まぁでも、落書きはされ過ぎて机真っ黒だし、上履きは隠されてもどうせ下駄箱の上に置いてあるからわかるし、教科書は全部覚えてるから意味ないし、水かけられるのは折り畳み傘持ってるし。
別に困ってはないけど、最近になって暴力が増えてきた。
先生は何も言わないし。
親も私の事なんか知らないふりしてる。
妹の方が可愛いから。


「うーん。教室戻ろうかな」

戻っても意味ないけどね、でも出席しないとなぁ。






ーガラッ


わぁお、何でいるのー。
実を言うと、私の隣は青城君だ。
私が入ると、青城君は私の机をガン見していた目を向けてきた。
うっ、何か、同情されてる?

「何よ、何でいるのよ?」

私は席につき、青城君に聞いた。

「いや、気になったから。てゆうかこれ何なの?」
「別に、こういう色なんだ。」

と、作り笑いをした。
ちょっと苦しい嘘だったかな。

「いや、でも…。それはちげーだろ」

あぁ、これかぁ。最悪。今回は彫られてるし。
机には、デカデカと"死ね"と書いてある。
青城君を見ると、俯いて肩を震わせていた。
泣いてんのか?

「親には、言わねーのか」
「言ったよ。でもね、あらそう。だけ」
「先公も気付いてんだよな」
「そーだね」

何が言いたい。
すると、青城君は立ち上がり、教卓に近づいた。
まさか…

「てめぇら、何くだらねぇ事してんだよ。
明日菜は何もしてねぇんだろ?何であんなことすんだよ。」

青城君は、そう言って全員を睨んだ。
顔が整ってるだけあって睨むと凄く怖い。

「はぁ、青城君。席について。授業妨害しないの。」

私は、俯いて青城君を注意した。