「うーん…」
「ふっ、寝顔可愛いな。」
明日菜は、泣きつかれたのか隣で眠っている。
じっ、と顔を見ていたら、明日菜の目に涙が浮かんだ。
俺はそれを親指で拭った。
「……俺、好きなのかな…」
「そーなんじゃねーの?」
!?
「なんだよ、気付いてなかったのか?」
「いつからいたんだよ。」
上から声をかけてきた男、藍井クロウ(アオイクロウ)。
見た目はいわゆる王子って感じ。
金髪でサラサラでイケメン。
「王子がサボっていいのかよ」
「うるせーよ、皇帝に言われたかねぇ」
そう、俺はクロウと仲が良いからなぜか皇帝と呼ばれている。
喧嘩が強くてかっこいいからだそうだ。
「てか、洸の隣にいる子ってさ、明日菜光だろ?」
「そーだけど」
「え、何?そういう関係?」
「はぁ!?だっ、んなわけねぇだろ!!」
俺とこいつが付き合うなんて、天と地がひっくり返ってもありえねぇ!!
「んー、でもさ、お似合いだと思うけど?」
「…俺は、気になってるけど、こいつは違うと思う。」
「ふーん。」
それより…
「こいつさ、イジメられてんだって」
「知ってる、俺のクラスでも言われてるしな」
「何を」
「明日菜さん可愛いよね!!とか、でもイジメられてるって聞いたよ?とかだよ。」
「ふーん。」
なんでイジメられてんだろ、可愛すぎて嫉妬とか?
「調べようか?」
「っ……あぁ、たのむ」
ビビったー、声に出してたか?
「顔に出てるよ」
「……あっそう」