「お、お似合いだね。なんか羨ましいな」



ずきずきする胸を押さえ、屈託のない笑顔で答える。



「でも、どうして私に彼女が出来たなんて……?」



「だって、結菜は俺の大事な……」



え?



何、何?



大事な……何!?



「幼なじみだからさ」



……少しでも期待した私がバカだった。



幼なじみ……



ただの幼なじみ、か……



幸せそうな二人を見ていたら、私は今すぐここから逃げ出したくなった。



「あ、ごめん。私急に用事思い出しちゃった」



「えぇ!?これから田代さんと3人でお茶したかったのに……」



そう言って、松島さんは眉毛を下げた。



「松島さんほんとにごめんね、また今度でいいかな?」



「うん!あたしも無理言ってごめんね」




そして、2人とはそこで別れた。



用事があるなんて、嘘。



『また今度』なんて日はきっと来ない。



だって、2人がいちゃついてるとこなんて見たら、もう辛くてたまらないもん……