「チッ、やっぱ面倒くさい番犬。
邪魔するなっつってるのに、うぜ~ー。
ワンワン吠えやがって」

前の席の安達君が、翔護を睨んだ。

「へぇ、上間さんと家族ぐるみで仲良しなんだ。
そりゃあ助けるってもんだよね。
だって安達君、超強引だもん!」

「うんうん、納得!
友達が強引に迫られてちゃあね!」

「そうだよー!
わたしも凛ちゃんの親友だから、助けるからねっ!
安達君、だめだよ?」

クラスの女子と、それから花歩ちゃんが声を上げた。
何だか皆が、明るくて優しくて、嬉しい。

さすがお嬢様、とか嫌味言う人、一人もいない。
このクラスになれて、よかった。

「お前らもうっせぇ。黙れ」

ぶすっと、安達君は頬杖をついてふくれっ面。