「うぶなんだなぁ。そこも可愛い。
ね、朝の返事は?」

ニコニコと、目の前の安達君はわたしの顔を覗き込む。
近いってば。

「え、あれって冗談、でしょ?」

朝のって、付き合って? って突然言いだしたことだよね?
いやいや、ないって。

わたしは翔護が好きなの。
そもそも、いきなりそんなこと言われたって、困るの。

「本気も本気。
一目惚れってあるんだなぁ」

頬杖をついていた腕をほどいて、安達君はわたしの両手を握った。

「ちょっと……!
やめてったら……っ!」

振りほどこうにも強く握られる両手は、なかなか引き剥がせない。