この朝は、わたしにとって特別な朝だ。

翔護と、お手伝いさんとお嬢様でもなくて。
付き合っていることを隠して、友達の振りでもなくて。

彼氏と彼女として、堂々と通学出来るんだから。

入学式のとき「いつか堂々と門を潜れたら良いね」って言い合っていたけれど、まさか現実になるなんて……。

嬉しすぎる。

中堂さんの運転を断り、二人で電車通学をし、それから歩いた。

「嬉しそうだね、凛」

「うん! こういうのに憧れてたの!」

憧れてたけど、これが普通だと思う。
今までがおかしかったんだ。

わたしは翔護と楽しく登校した。