普通なお嬢様の極秘恋愛

お母さんはいつの間にか席を外していた。

今リビングにいるのは、わたしと翔護と田中さんの三人。

「それは、ありがとうございます、と喜んで正解ですか?
安達君と並べられても……」

「ふふっ」

吹き出しながら、紅茶に続き、クッキーを差し出す田中さん。

翔護とも安達君とも短い付き合いではないから、二人のことをよく知っているのだろう。
色々思い出しては面白いらしい。
田中さんはにこやかだ。

「お嬢様、良かったですわね!」

「はい、翔護と……それに皆さんのおかげです!」

お礼を言って、目の前のクッキーに手を伸ばしかけた時だった。

「あ……」

翔護が小さく声を漏らした。