普通なお嬢様の極秘恋愛

「え? ちょっと顔、見せて!」

瀬田さんの台詞に、驚いた様子の翔護。

パッと後ろから抱きしめてくれていたぬくもりが、離れた。
わたしの前に回ってきた翔護がまじまじとわたしを見つめる。

「……ごめん、間に合わなくて……。
もうこんなに赤くなって。

まさかこんなことに……」

熱を持った頬を、優しく撫でられる。

ますます熱が増すのは、お父様に叩かれたからなのか、翔護に撫でられているからなのか……。

「おい森下、凛にこれ以上触るな!
許さないぞ! 凛には婚約者がいるんだ!!」

凛から離れろ! と叫びながら、お父様の手が迫ってきた。
さっき思いっきりビンタをされた痛みが蘇る。

ぎゅっと目を瞑って、翔護にしがみつく。

「お、お前……」

わたしを抱きしめる翔護が、ことも無げに片手で、しかも後ろ手でお父様の腕を掴んだ。