普通なお嬢様の極秘恋愛

「忘れるわけないでしょう!
お父様を忘れても、翔護は絶対忘れない!!」

顔を上げて、懸命に目を見て訴える。

普段そんなことしないわたしの態度に、一瞬面食らったお父様だったけど、すぐに顔を真っ赤にして怒り出した。

「ほう……?
わたしを忘れても森下を忘れない……?

わたしが森下より下だとでも言いたげだなっ?
それが親に向かって言うことか?!

使用人ごときとわたしを比べるなど!!
しかも向こうが上だと?!」

「おい! おっさんやめろっ!!」

「上間さんっ!!」

さっきよりも渇いた音がした。

瀬田さん達の声を聞きながら、体が後ろに倒れていくのを感じる。

あ、衝撃で倒れるときに、スローモーションになるって本当なんだ……。

ゆったりと流れる目の前の光景。

威圧的に見下ろす瞳。
その後ろから、こちらに駆けつけようとしてくれているらしい心配顔の二人……。