「全然大丈夫じゃなさそうだけど……」

どぎまぎと返事をすると、くすりと柔らかく笑われた。

「凛、俺も正直言うと、新しい生活に不安がないわけじゃないんだよ?

でも、凛と一緒なら頑張れる。
って、もっとうまく、凛が落ち着けるようなこと言えたら良いんだけど……」

すまなさそうに言葉を選ぶ翔護の優しさに、じんわりと心があったかくなっていくような感覚。

ああ、やっぱり翔護、好きだなぁ……。

「充分だよ、翔護、ありがとう……!」

困ったように笑う翔護にお礼を言い、わたし達はもう一度、触れるだけのキスをして、今度こそ眠りについた。

明日から、頑張らなくちゃ……!

急に来たわたしを受け入れてくれたおばあちゃん。
バイトする? って部屋と仕事をくれたゆりちゃん。
それに、一緒に来てくれた翔護のためにも。

頑張らなくちゃ……!